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工藤、生業について考える

本日の大阪ブログは朝ドラ「とと姉ちゃん」風のタイトルですが、

ここ最近「生業:なりわい」について考えることが多い私、工藤です。

 

昨年、古舘伊知郎氏のライフワーク「トーキング・ブルース」の密着番組をBSで見たのですが、

その中で古舘氏が語っていた言葉が心に刺さりました。

「俺は喋りを生業として生きてきたが、果たして本当にその覚悟はあったのか?」

「肝心なところで (適当な言葉で) 逃げてこなかったか?」

これは古舘氏が直面した実姉と親友の死に関するエピソードからの話でしたが、

その話はここでは割愛します。

 

生業に対する覚悟、これには改めて考えさせられました。

そして先日、また生業について深く感銘を受けることがありました。

 

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新神戸駅のすぐ隣にある「竹中大工道具館」に行ってきたのですが

伝わってくる「気」「魂」に圧倒されてしまいました。

私は特に建築に興味がある訳でもなく、

自ら日曜大工をすることもなく、むしろ面倒くさいから嫌いですが(笑)

そんな私ですら心を揺さぶられるほど感動してしまいました。

 

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ただ昔からの大工道具を展示しているのではありません。

この館が本当に素晴らしいのは、大工道具を通じて職人による究極の手仕事の凄み、

伝統美、様式美、その凄まじい感性がストレートに伝わってくるところです。

 

さらに、木材の特性を最大限に生かした「適材適所」のコーナーや、

職人を束ねて心と技で建築を作り上げていく「棟梁の仕事」のコーナーなどは

まさに現代社会の組織作りそのものです。

 

大工とテーラード、職種はまったく違いますが

豊かな感性(美意識)がないと本当に良いもの(本物)は作れません。

職種は違えど根底にあるものは同じなんですね。

 

大工道具を通じて「生業に対する覚悟」を感じることができました。

そしてここは定期的に訪れたくなる場所になりました。

一見の価値ありです。

大阪店 工藤

 

5.23-5