- 2016.06.9
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昭和を代表する銀幕のスター 佐分利信。
「帰郷」「慟哭」「お茶漬けの味」「彼岸花」etc
数多くの名作で独特の存在感を示してきた。
劇中での佐分利は、カメラが向けられていることを
全く意識させない。立ち振る舞いや所作が
いつも自然体で風格がある。
台詞の話し方は少々ぶっきらぼうで
ロマンティックな雰囲気は希薄だが
役柄を問わず、懐の深さや
器の大きさを感じさせてくれる。
私が大好きな晩年の小津映画では、結婚期にある娘を持つ父親役として
度々登場している。娘と多くの摩擦を引き起こしながらも
最後に見せるさりげない温かみから、昭和の父親像や
ダンディズムというものを教えられた。(ぎりぎりの昭和生まれなので想像も多いが)
作品を観終えた後に、つくづく思う事であるが
彼のたたずまいには「貫禄」「威厳」「知的」という言葉が
よく似合う。
時代背景が違うとはいえ
同じ男性として、学ぶべき事がたくさん出てくる。
それと同時に羨ましい感情も湧いてくる・・・。
本格的な梅雨のシーズンとなり
休日をご自宅で過ごす方も多くなるかと思いますが
この機会に佐分利信の作品を鑑賞されてみてはいかがでしょうか。
大阪店/長澤
PS:8年前に他界した私の祖母も
彼のファンだったと、最近母から聞かされて
感慨深いものを感じました。