- 2017.03.8
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英国のリアルなフォーマル場面を数多くとらえた「アスコット競馬場」の写真集があります。発刊されたのはもうずいぶん前のことになりますが、書店で見つけた当初はかなりの衝撃を受けたものです。そこにはバタクが想い描いていたフォーマル・ウエアのリソースがあふれていました。
日本でフォーマルと言うと、ステージ衣装のような貸衣装(結婚式場)を除けば、ブラックばかり。実は本来、この写真集のように着用する時間帯と場所で、色目使いはさまざまなのです。決してユニフォームのように画一的な服装ではありません。この写真集を見てカギになるなと思わせたのが、ウエストコートの使い方です。ブラックとグレイの上下にどう組み合わせるか—。写真に写っている人たちはそこに知恵を絞っているように思えます。
さて、「バタク」のオススメするフォーマル・ウエア提案はこうです。グレイ・シャークスキン、グレイ・ヘリンボーン、グレイ・シャドーストライプといった色柄の3ピーススーツ。これらに加えてカラードのウエストコートを合わせます。また、ブラックの3ピーススーツにカラードのウエストコートを用意しておく。そして、シャツとネクタイを入れ換えることで、披露宴〜二次会にも対応できる2種類以上のコーディネートが可能になります。近年、午後のレストラン・ウエディングなど多様なウエディング・セレモニーが常態化しておりますので、当店としてはブラックだけでなく、男も少しだけ色をプラスした組み合わせをご提案しております。
それともうひとつ。「ブートニエール/Boutonniere」。襟のボタンホールに添える飾り花のことですが、その参考になる本もご紹介しておきましょう。ご承知のように襟のボタンホールは、社章を留るものではありません。この写真集に掲載されているように、ウエディングなどの着飾る場面で花を飾るホールとして機能しています。残念ながら当店では花の調達やアレンジメントをお受けすることはできませんが、フォーマル・ウエアに欠かせない装飾ですので、是非ご参考に。(日比谷店 長谷川)
Fashion at Royal Ascot: Three Centuries of Thoroughbred Style by James Sherwood/ハードカバー:224ページ/出版社: Thames and Hudson Ltd/発刊日:2011年6月
High Society:The Town & Country Picture Album, 1846-1996/Kathleen Madden (著)/ハードカバー: 288ページ/出版社:Harry N Abrams (1996/10)/発売日:1996年10月
The Boutonniere: Style in One’s Lapel Brioni (著)/ハードカバー: 96ページ/出版社: Universe/発売日: 2000年2月