- 2017.08.24
- Blog
コットン系で初秋まで着られるスーツ(およびジャケット)をお考えのお客さま。ちょうどいい服地があります。英国やイタリアのマーチャントおよびミルでさえも、非常に取扱いが少ない“コットン・カシミア混”服地です。これは、ションヘル式低速織機で織ったヴィンテージ・クオリティの「バタク・クロス」としてオリジナルで展開しているお品です。バリエーションは平織(マットウース)325g、綾織(ツイル)295gの2種類。お色は、平織にベージュとネイビー、綾織に薄ベージュをご用意しました。カシミアの混率は10%未満。ヨコ糸のセッティングから低速織機で時間をかけて丁寧に織り上げた小ロット生産(コットン地は大量生産が常識)の服地です。仕上げも通常のウーステッドと同様の仕上げ工程を採用。カシミアを混紡することでコットン100%に比してドレープをつくり出すために必要な“しなやかさ”があり、かつシワになりやすいコットン地とは異なったシワに対する再生力を有しています。オールコットンとは明らかに異なるタッチを体験していただけることでしょう。
ここ数年、コットン素材の原料となる綿花が世界中で不足しており、素材の取引価格に影響するのではないかという懸念がテキスタイル業界を駆け巡っております。コットン・スーツやジャケットを仕立てるならまだ高騰していない今が好機かもしれません。
私の場合、新型バタク・サックを発表したタイミングでしたので、迷わずこの服地を選びました(写真)。仕立て上がりが7月でしたので既に湿度も気温も高く、決して快適とは言えませんでしたが、9月からの季節がベストだと思われます。(日比谷店 長谷川)
コットン&カシミアのネイビー。長谷川が着ているのは、新型バタク・サックで仕立てた同素材のスーツです。
コットン・カシミアの平織地。お色はベージュです。
コットン・カシミア 綾織り(ツイル)。お色は薄ベージュです。
コットン・カシミア 平織、バタク・ドレープのお仕立て例です。