映画ファンの皆様、お待たせしました。お待たせし過ぎたのかも知れません(全〇監督風)。スティーブ・マックィーン主演の「華麗なる賭け」(1968/米)と言えば、スーツが好きな方なら一度は観たことのある映画ではないでしょうか。マックィーン演じる大富豪のトーマス・クラウンが道楽で泥棒をやっているという設定なのですが、普段はロールス・ロイスに乗り、オフは自家用グライダーで空を漂い、海辺ではサンドバギーをぶっ飛ばし、さらにポロ競技もこなし、シガーやチェスを嗜み、夜は女性と・・・とにかく男の憧れなのです。女性なら誰もが彼女になりたいと思うはずです。そんなトーマス・クラウンはスーツの着こなしも隙がありません。一目で仕立ての良いスーツを着ていることが分かるのですが、50年以上昔の映画とは思えないほどスタイリッシュなのです。現在でも参考にしていただきたい着こなしなのです。映画の冒頭で着用しているのはグレイの3ピースなのですが、シャドーのグレンチェック柄に薄っすらとブルーのオーバーペンが入っています。ブルーのオーバーペンが入っていることが分かったのは実は最近なのです。レストアされたハイビジョン高画質映像によって発覚したのですが、オーバーペンの入り方に特徴があり、よくある定番的なオーバーペンの入り方ではないのです。私もたくさんのグレンチェックを見てきましたが、劇中と同じオーバーペンが入ったグレンチェックは見たことがありませんでした。それがなんと!羅紗屋で非常に近いものを見つけることが出来たのです。それがコチラです。
■ヴィンテージ「スキャバル」スーパー100’s ウエイト230g
寄りの画像で見るとブルーのオーバーペンが目立っていますが、実際はほとんど目立ちません。2メートルほど離れるとグレイ無地のスーツにしか見えないのがうれしいポイントです。山のようにある生地の中からこの生地を見つけたときは思わず「これは!?」と声が出ました。もう頭の中では主題歌「風のささやき」が掛かっていました(笑)。肝心の生地のクオリティですが、ライトウエイトながら絶妙なハリ・コシを残しつつ、滑らかなタッチという高品質なのです。安定感のあるスキャバルらしいヴィンテージ・クオリティです。是非、店頭でお確かめください。2ピース着分のみとなります。(バタク大阪 工藤)
PS.「華麗なる賭け」は100回近く観てると思います。それだけ影響を受けた映画なのです。サウンドトラックも所有していますが、ミシェル・ルグランの音楽も心地よいのです。そして、女性が観ても楽しめるのがフェイ・ダナウェイの60年代ファッションです。家で過ごす時間が増えそうな昨今ですが、この機会に未見の方は是非ご覧ください。