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中間領域の風味絶佳、ブルーグレイ。

以前、私のよく知っている人が「私の価値観にグレーゾーンは存在しない、在るのは白か黒のみ。」と冗談半分に語っていたのですが、聞くところによると今の若い世代の人たちの多くはグレーゾーンという中間(曖昧な)領域の価値観を持たないと言います。もちろんそれを否定するつもりはありません。ただ、私の価値観ではグレーゾーンという曖昧な領域の中にモノの本質や真価が隠れていたりする場合もあるのでグレーゾーンについては大事な領域と解釈しています。例えば、理屈では説明できない何か。パッと見た瞬間に心に刺さる出来事(一目ぼれとか)、感性や感覚に訴えかけてくるものに理屈は要りません。理屈では決められない何かが人生の愉しみであったり味わい深さであったりすると思うのです。もちろん良いことばかりではなく苦い思いも含めてです。柄にもなく哲学っぽい話をしてしまいましたが、我々は理屈抜きにお客様の感性や感覚に響くようなご提案をするのはもちろんのこと、そのためには自身の感性を常に磨いておく必要があるということです。ということで、今回ご紹介する服地は私の感性に響いたコチラになります。

▼ヴィンテージ「スキャバル」スーパー120’s ブルーグレイ/シャーク 330g

折しもブルーとグレイの中間領域にあたるブルーグレイの服地です。これまでも沢山のブルーグレイの服地をご紹介してきましたが、この服地のブルーグレイの色味は絶妙なのです。往年のハリウッド映画の主人公が着ていそうなスーツの色味にも見えますし、落ち着いた大人のムードを醸し出すスーツにも見える反面、知的でクールな印象を与えるスーツにも見えます。着用する人によって様々な様相を呈するブルーグレイなのです。さらにスーパー120’sならではの滑らかなタッチに加えてコシのある生地感は美しいドレープを生みます。まさに理屈抜きで説得力のある服地なのです。実は私もこの服地でスーツを仕立てている最中です。仕上がりはまだ先ですが2021年の最初の1着目に相応しいスーツになると自負しております。(バタク大阪 工藤)