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再考、バタクだけのダブル・クロス。

我々のようなテーラーでは季節に関係なく、その時に欲しいと思った服地でご注文をいただくことがよくあります。例えば、真夏にツイードのジャケットのご注文や、冬にリネンのスーツのご注文などは珍しくありません。先日も「バタク・クロス」の秋冬服地で3ピース・スーツのご注文をいただきました。さっそく仕上がってきたのですが、丸みのある立体的なフォルムのお仕立て上がりを見て、改めて「バタク・クロス」のダブル・クロス服地の良さを再認識した次第です。ダブル・クロスとは、タテ糸・ヨコ糸をそれぞれ2本の糸で織り上げる服地です。旧来の英国服地を参考にバタクが独自にこだわったのは、80双糸を使いタテ糸を1.7倍にすることで密度が増し、弾力性に優れた服地となっている点です。さらに、高級服地のスペックである長繊維スーパー100’s、そしてメリノウールを使用することで滑らかなタッチを実現しています。服地だけ見ると重くて硬そうに見えるかも知れませんが、触ると滑らかで優しいタッチに驚かれると思います。私も実際にウエイト410gと380g(セミダブル・クロス)を着用していますが、ウエイトを感じさせないソフトでしなやかな着用感に満足しています。この “しなやかさ” はスーツを仕立てるうえで重要なポイントです。なぜなら、外見や所作まで優雅に見えるからです。質の高い実用スーツをお考えの方に自信を持ってお勧めいたします。(バタク大阪 工藤)

▼お客様のお仕立て上がりです。「バタク・クロス」ブルーグレイ・ピンヘッド 410g