Blog

あなどるなかれ、チーフ演出術。

「働き方改革」と聞いて、「何を今さら」とおっしゃる方が当店のお客様には多いと思われます。そもそもビスポーク・スーツを着て仕事をしている人たちです。自分のペースに仕事を取り込むのはもちろん、受動的なビジネスの枠組みを超えて積極的に装うことを楽しんでいらっしゃいます。たとえば、ポケット・チーフの使い方などはその典型です。今や定着した感のある白い麻のチーフですが、チーフとして手を拭いたり、汗を拭ったりするために胸ポケットにセットするのではなく、ほとんどが装飾的な役割を求めて使用されています。TVフォールドなどは、胸ポケットに覗く白い布地が服装に凛とした雰囲気をもたらします。麻だけでなく、シルク素材を選択すれば、華やかな印象をさらに醸し出すことができます。ただし、よくありがちなネクタイとチーフの柄を同一にする組み合わせにはご注意ください。柄の印象が過剰になるケースや、ステレオタイプなチーフ演出に閉口する場面があるからです。シルクのチーフは適度に控え目であることが肝心。チーフひとつでスーツの印象が変わると言われています。限られたワードローブを最大限に活用するためにも、チーフによる演出術を上手に利用したいものです。(バタク日比谷 長谷川)