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新しいものなんて、なにもない。

かつて軍装あるいは軽雨具として実用を重ねてきた、バルカラーとトレンチ(まとめてコットンコート)には一朝一夕では真似のできないミリタリー・スペックらしい経験が詰まっています。スタンダードでリアルなこのコットンコート。バタクでは今年も、デザイン、サイズともにまったく手を入れず、大人らしく「ごく普通」のまま、作り続けています。完成されたデザインにゆったりとしたAラインシルエットが特徴なのですが、ここ数年のコットンコートを概観してみると、流行りという名の下でモード化(ある年はタイトフィット化、ある年はオーバーサイズ化)し、大人が長く着られる「ごく普通」のものがなくなったという声をよく耳にします。王室御用達の老舗ブランドでさえも、「ごく普通」を貫くことが難しい時勢のようです。もしかすると数少ない標準的な完成形のコートを、古臭いコートとでも考えているのでしょうか? いえいえ、このコットンコートは、完成しているがゆえに、そう安々と変えることはできません。バタクでは「10年後にも価値観の変わらないスタンダードなコート」をブレることなく作り続けております。(バタク日比谷 長谷川)