ファッションの世界において流行のサイクルは早く、時代と共に消えていくスタイルもあれば、その時代に更新されてリブートするスタイルもあります。では、20世紀が始まった頃に世界中で流行したとされるサック・スタイルはどうでしょうか。サック・スタイルが象徴するものは、成熟であり安定感であり、普遍的なスタイルです。大統領が着用することがあってもそこに露骨な印象は無く、さりげなく着る人を引き立てる役割を果たしています。普遍的なスタイルは時として退屈に感じることもありますが、それは本質ではありません。なぜなら、人生の経験値を重ねて円熟味を増した大人が着るサックスーツほど魅力的なものはありません。いつの時代もケーリーグラントのスタイルがリスペクトされる所以はここにあるのです。※併せてコチラもご覧ください。