年を重ねるごとに趣味嗜好は熟成されていきますが、ファッションに於いてはその時々の気分を取り入れることも大事です。それは着こなしの幅が広がるだけでなく、新たな知見を得ることができるからです。例えば、一見無地にしか見えないスーツでも傍に近付いて見ると薄っすらとチェックの織柄が入っていることがあります。いわゆる今の気分でしょうか、この手のシャドー系と呼ばれる控えめな表情のある生地の需要が明らかに増えています。前回のブログで触れたクワイエット・ラグジュアリーに通じますが、主張を抑えて品よく着こなすことに愉悦と矜持を抱くお客様が増えているということです。クラシックなスーツの装いにルールがあることは事実ですが、それは堅苦しいものではなく柔軟に考えて装いを愉しむお客様が増えている証でもあるのです。
おかげさまで30周年
感謝の意を込めて半年間
2024年11月25日(月)~2025年5月24日(土)