英国を代表するミルであった「テーラー＆ロッジ」が破綻して時が過ぎましたが、我々テーラーが注視するのは過去に同社が取り扱った最高級服地である “ラムズ・ゴールデンベイル” です。中でも、ヴィンテージと呼ばれる1960～70年代に織られた “ラムズ・ゴールデンベイル” の品質は群を抜いており、希少性も相まって価値が高まっているのが現状です。その黄金期に織られた “ラムズ・ゴールデンベイル” でお仕立ていただいたスーツをご紹介します。グレイのヘリンボーンにオレンジ、ブルー、チャコールグレイのオルタネイトストライプという趣向を凝らした色柄の服地ですが、調和のとれた均衡を保っており落ち着きと優雅さすら感じます。当時のテーラー＆ロッジは服地の役割を仕立ての技術と同じくらい重要なものと捉えていたことが想像できます。それにしてもこの服地でお仕立てされたお客様は幸運であり羨ましい限りです。

おかげさまで30周年
感謝の意を込めて半年間
2024年11月25日(月)～2025年5月24日(土)