ネイビーあってのグレイ、グレイあってのネイビー、つまりネイビーとグレイの2色を軸にスーツを揃えれば、フォーマルを除くあらゆるシーンに対応可能なことはすでにご承知かと思います。ソリッドな無地から柄物、さらに梳毛や紡毛と生地の種別は多種多様。着る用途やお好みで生地を選ばれる方が大半ですが、年齢という要素を加味するとグレイの生地をお勧めすることが多いように思います。男性の場合、加齢による顔のシワや白髪は武器になります。それらを味わい深い雰囲気に見せてくれるのがグレイなのです。往年の映画を観ても、円熟味を増した主人公が着ているのはグレイのスーツ。良い具合に力が抜けて、おおらかさが伝わる風貌は良いお手本です。もちろん着る人の持ち味などもありますので、グレイがすべてということではありません。着る人とスーツの関係性は、歳を重ねることでそれぞれの背景にある物語によって深まるのです。