奈良時代から続く日本の伝統的な染色技術である藍染め。平安時代には”高貴な色”として上流階級の着物に用いられていましたが、江戸時代になると庶民に広く浸透したことから日本人に馴染みの深い色として今に至ります。そのような歴史背景もあり、ネイビーのスーツは相手に対しても着る本人にも安心感があると言われています。これは多くの方が初めてのスーツにネイビーを選ばれる理由の一つです。スタンダードなスーツとして幅広い世代の方が着用するネイビースーツ。しかし、一括りにできない奥深さがネイビースーツにはあるのです。世代によって似合うネイビーの生地は異なります。例えば、歳を重ねて円熟味を増してきた方にハマるのがヘリンボーンです。白髪や顔に刻まれたシワがヘリンボーンの奥行きのある表情と相まって味わい深さへと昇華するのです。このようにスタンダードなスーツこそ世代によって新調することが理想です。なぜなら我々テーラーは微差が大差を生むことを知っているからです。

