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木村 元洋氏

Motohiro Kimura

服に心を遊ばせる
batakで服を作って頂くようになってから15年以上になります。私にとってbatakの服が至高のものであることはもはや疑いようがないのですが、私は心理学が生業ですので、その魅力の理由や仕組みについて考えたくなります。
batakが作る服は美しい。静謐で面影がある。ですが、このモノとしての美しさはbatakの服がもつ数ある美徳の一つに過ぎないように思います。対話の中で自分の意図が的確にデザインに落とし込まれていく喜びや、服飾文化や歴史に関する学び。服を纏うことで生まれる気持ちの変化や、人や物事との関わり方の変化。そんなインタラクションを通して、心を幾重にも遊ばせてくれる。その在り方にこそ、batakの服の魅力の本質があるように感じます。
産業革命以前を彷彿とさせる、審美性を純粋に追求するbatakの姿勢に触れてこられたことも、私には貴重なことでした。私にとってあるべき仕事の姿がそこにあり、それは私の心理学者としての仕事や、大げさにいえば生き方そのものにも少なからぬ影響を与えていると思います。

木村 元洋氏 Mr. Motohiro Kimura | 産業技術総合研究所 研究グループ長。生理心理学者。北海道大学で博士(教育学)を取得後、ドイツ・ライプツィヒ大学などを経て、2011年より同研究所。ヨーロッパを母体とする国際生理心理学機構が公刊するInt. J. Psychophysiol.誌、アメリカ生理心理学会が公刊するPsychophysiology誌、日本生理心理学会が公刊するJ. J. Physiol. Psychol. Psychophysiol.誌の編集委員などを歴任。