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助川 幸逸郎氏

Sukegawa Kouichirou

意識しないで着られること。それが成熟社会における服飾は、どこへ向かうのか。
旧来のメディアは「これからは、この服」的なやり方を継続していますが、主導権は限定的です。一方でネットメディアを介し、日本のローカルに影響されず、海外とダイレクトに服の着方を共有する人たちも増えてきています。パラダイムがシフトする中で、日本の服飾が担うものは何なのか。西欧的なものをアジアに落とし込む日本のロールモデルで、新興国を牽引していくことが望ましいと私は考えています。そこには、西欧化(洋服化)をすばやく成し得た日本だからできる、当の西欧人が気づいていないメソッドもあります。たとえば、’70年代までのサヴィル・ロウの服づくり。実は英国より今いちばん日本に残っている。だから、サヴィル・ロウのテーラーがbatakに学びに来るような時代が訪れても不思議ではないでしょう

助川 幸逸郎氏 Mr. Sukegawa Kouichirou | 東海大学教授。岐阜女子大学非常勤講師。 専門は日本文学だが、服飾分野にも深い造詣を持つ。主な著作に「謎の村上春樹〜読まなくても気になる国民的作家の作られ方」、「光源氏になってはいけない」などがある。