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3ピースと2ピース。選択のポイントは・・。

3ピースにするか、それとも2ピースにするか。スーツを注文する際には必ずどちらかを選択します。その時の尺度あるいは基準となる理由や理屈はなんでしょうか・・・。

スーツの成り立ちから言うと、源流に3ピースがあり、2ピースはその簡略化されたスタイルであることはご承知の通り。ですので、クラシックな装いを志向するなら3ピース。軽快で活動的、かつVゾーンにセクシュアリティを表現する2ピース。という切り分け方の選択が考えられます。また、冬服は3ピースを注文し、夏服は2ピースにするという気候を拠り所に選択する方も当然いらっしゃいます。

しかし、各々のスタイルの栄枯盛衰が幾度となく繰り返された末の今、明確な選択の根拠が存在していません。つまり、お客様の気分や趣味性でどちらかを選んでいるというのが実態。クラシックなスタイルで仕立てるお客様でも2ピースを志向されますし、夏期でも頑なに3ピースをオーダーされるお客様もたくさんいらっしゃいます。どちらを選ぼうが、それがビスポーク。大切なのは、着た結果。着る人が格好良く見えることが何よりも大事なことです。

さて、作り手である仕立て職人から見ると多少事情が違ったことも申し添えておきたいと思います。それは、昭和のお話。かつての徒弟制度に近いものがありましたテーラーでは、新参者の職人をいきなりスーツづくりに従事させてはいませんでした。最初は、服地の調達や親方の家事手伝い。ハサミを握らせてもらうまでには数年。ようやく縫わせてもらえるのはズボンから。そして、修業の第四コーナーとなって手がけさせてもらえるのが「三つ揃え」こと3ピーススーツでした。ですから、昔のテーラーは万感の想いで3ピーススーツをこしらえ、修練で鍛えた自らの技を注ぎ込んだと言います。「三つ揃え」を仕立てられることは、テーラーとして一人前になれたことの証だったわけです。だからこそ、3ピーススーツの注文をいただいた時には何となく“仕立屋冥利(みょうり)に尽きる”と昔は言ったそうです。別に2ピーススーツの仕事に手を抜いているわけではもちろんありませんが、モノづくり職人によくあるプライドだったのかもしれません。

ちなみに、出張旅行が多い方はウエストコートの分(それに付帯するブレーシーズなどを含め)だけ荷物にならないので、3ピーススーツよりも2ピーススーツの方が幾分機能的と言えるかもしれません。

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