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盛夏の服地に要注意。

英国等ではトロピカル(熱帯)と名乗る盛夏用服地でも、ご当地の気候ゆえに重くシッカリしたものが常識です。日本で言えば秋物に分類されるようなお品がメイン。したがって、盛夏のデッドストック服地は、以前から珍しい存在として扱われてきました。おそらく200g台前半の軽量な服地やテリレン(ポリエステル)、混率の高いモヘアを使った服地などは、ロンドンで着るというより旅先や避寒地で着ることを想定しているのでしょう。ですので、ビジネスユースの色使いとはちょっと異なる系統の服地が多かったようです。そういう意味で、盛夏のヴィンテージ服地には面白い出物を見つけることができます。ここに集めた盛夏に着るヴィンテージ服地はすべて1点モノ。この機会をスルーすれば、二度と遭遇することはないかもしれません。

最近復活を遂げたロンドンのマーチャント、「ウエイン・シール」。240g。ウール55%&テリレン(ポリエステル)45%。薄茶の色目が何とも言えません。ポリエステルのおかげでシワになりづらく、旅行や避寒地用スーツ等に選ばれたようです。1970年代頃のお品で、1点モノとなります。

英「スキャバル」。スーパー100’sのウール65%、キッドモヘア35%。280g。1970年代後半の服地。1980年代に販売されていた「スキャバル/ベイシリーズ」のひとつ。ウール&モヘアがリリースされる以前の服地です。ハリとコシが著しく「ザ・ヴィンテージ」と呼ぶにふさわしい服地です。1点モノです。

英「スキャバル/モンテゴベイ」。濃茶のピンヘッド。240g。スーパー100’sウール40%、キッドモヘア60%。1980年代から2016年頃まで生産されていたロングセラー服地です。仏「ドーメル」の〈スーパーブリオ〉に対抗するために開発された、夏のウール&モヘアの最高級服地でした。1点モノです。