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リゾートへ行こう、とジャケットが囁く。

いまでこそ、公式な場やビジネスのTPOとしては、スーツやフォーマル・ウエアが上下同素材であることに異を唱える人はいません。しかし、スーツが登場してくる1800年代の半ばまでは、上下別素材こそが格式のある服装だったと言います(※1)。つまり、上下別素材のジャケット&トラウザーズの方がスーツよりも格上の組合せだったのです。想像するに、貴族社会という前提の中で人と人が会する場では、上下別々の素材や色を組み合わせた方が華やぎの場にはふさわしい、と当時は考えたのではないでしょうか。あるいは戦争のない平時には、夜会に着ていく服装選びに熱心だった王侯貴族たちにとって、上下が異なるコーディネイトは楽しみのひとつだったに違いありません。現代でも、カジュアルな集まりでは、ビジネス・ウエアであるスーツよりもジャケット&トラウザーズの方が断然ふさわしいことは議論を待ちません。とりわけ、避寒地や避暑地のリゾート生活では、ジャケット&トラウザーズこそ正装であるとの認識に異論を唱える人は少ないはずです。あと2ヶ月〜3ヶ月もすると、リゾートへと誘う春の風が頬を撫でる季節が訪れます。そして、軽く涼やかなコットン、麻、シルクなどをミックスしたジャケット用混紡服地がバタクの店頭に並びます。今年の避暑はどこへ行きましょうか・・・。

※1 参考文献:「スーツの神話」文藝春秋刊 中野香織 著

シルク・ウールのグレンチェック。ロンドンのマーチャント「Wビル」製。

いわゆる3者混(さんしゃこん)と呼ばれるサマーツイード地。シルク、リネン、ウールの混紡です。

ベージュ系のガンクラブチェック。こちらのサマーツイードも3者混(さんしゃこん)。シルク、リネン、ウールの混紡。

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Bespoke Tailor batak.