「ハーディ・ミニス/Hardy Minnis」がバタクにやって来ました。スーツやジャケットに一家言を持つ、いわゆる“うるさ型“にその名を轟かせている西ヨークシャーのミル(織物工場)です。なんとロイヤルワラント(王室御用達)に認定されているブランドでもあります。英国オリジンの色柄を頑なに作り続けている一徹さにこそ、同ブランドが世界中の高級テーラーで扱われている理由があると考えます。年毎の新しいバンチを手にとって見ると最新のコレクションにもかかわらず、ヴィンテージ服地を束ねたような錯覚をおぼえるほどの古式ゆかしい服地。なかでも注目していただきたいのは歴史のある同社の定番バンチ「アルスポーツ」のバリエーション、「ウーステッド アルスポーツⅡ」です。ウーステッド(梳毛素材)らしい軽くてしなやかなものから、まるでウーレン(紡毛素材)のようなガッシリしたウーステッド、さらにはツイードのようなカントリータッチのものなどその色柄と素材感のバリエーションは圧倒的。ちょっとした事典のようなぶ厚さを持つバンチですが、ウーステッドの可能性を徹底して探求している展開はまさに圧巻で、仕立て上がりを想像しながら色柄を選ぶひとときは、ヘビーなオーダーリピーターのお客様でさえも新鮮な体験になるのではないでしょうか。ウエイトはすべて370g、弊店のダービー・カット等でお仕立てするジャケットがオススメです。
「ハーディ・ミニス」は、「マーティン・サンズ&Co.」「ハント&ウィンターボーサム」と言った老舗ミルを抱えるグループ企業「ハダーズフィールド・ファイン ウーステッド(H.F.W.)」の傘下にあります。創業は1960年と歴史は浅いかもしれませんが、「ジョン・G・ハーディ」、「J&Jミニス」と言った非常に歴史のあるミルの合併・統合から誕生しており、各ブランドともに1800年代の後半から続く老舗です。