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「泥棒成金」から盗む、アスコットの装い。

アスコット・タイ(あるいはアスコット・スカーフ、フロード)の着方を、男女を問わず誰もが真似をした映画作品と言えば、ケーリー・グラント主演の「泥棒成金/To Catch a thief(1954年)」ですね。この作品に登場するケーリー・グラントの服装はハリウッド切っての衣裳デザイナー、イーディス・ヘッドではなく、ケーリー・グラント自身がセレクトしたものでした。ヘッドが手掛けたのはグレイス・ケリーの衣裳のみ。しかも、「マクスウエルズ」のローファーのように、ケーリー・グラントの私物がいくつか登場しています。注目のアスコット・タイですが、全編を通じてケーリー・グラントが演ずるザ・キャットのキャラクターを際立たせるような役割で使われています。クルーネックのサマーニットに大きなドットのアスコット・タイ。ジャケット&トラウザーズには、ロングポイントのシャツ(ボタン・ダウンではありません)の首元に一見無地に見える細かなドットのアスコット・タイ。今観てもハッとさせられる組み合わせで、これぞアスコット・タイ着用のお手本と言わんばかりの印象深い装いに誰もが酔いしれたことでしょう。フレンチ・リビエラが舞台ということもあって、彼が着るほとんどの服装はリゾート・スタイル。ケーリー・グラント個人の好みでもあるリラックス・フィットは悪くないのですが、ゆる過ぎないように引き締める役割をアスコット・タイが担っているように思えてなりません。

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