開店当初、日比谷店の入り口で入店を躊躇されるお客さまがいらっしゃいました。それというのも入り口の扉を開けると、着分の服地だけが左右の棚に陳列されており、あたかも高級生地専門店のような雰囲気を醸していたからだということでした。当店では開店以来、服地の品揃えには格別のこだわりがあります。お客さまが見本帖（バンチ）から選ぶそのシーズンの服地にとどまらず、服地問屋（羅紗屋）などの倉庫に長年眠っていた希少な服地、現在では作られていない珍しい混紡の服地などを買い集めては、その中から厳選した品を店頭に揃え、お客さまにオススメしてきました。おそらくこれほどの数を品揃えしているテイラーはそうあるものではないと思っております。見本帖ならまだしも、着分で在庫している店はきわめて少ないと断言できます。今回、そんな代官山で開店した当初よりストックして来た「とっておき」の服地を蔵出しいたします。ヴィンテージはもとより、色柄、素材構成など日比谷店の倉庫に眠る珍しい品々。日比谷店の長谷川までご連絡いただければ、お客さまのリクエストにお応えいたします。お客さまの宝物が見つかるかもしれません。