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日比谷蔵出し、春夏の軽快なツイード・ジャケット地。

かつて英国の首都ロンドンには、さまざまな服地商(マーチャント)が軒を連ねていました。メーカーをまたいで品揃えで勝負する会社、ニッチとも言える同種類の服地だけを徹底して揃えた専門店がありました。その後者に位置するのが「W.ビル(ウィリアム・ビル)」であり、ツイードにかけてはそのセンス、ストック量ともに群を抜いた存在です。カントリーで着るライトウエイトのサマー・ツイードからヘビーウエイトのスポーツ・ツイード。シェットランドにドネガル。ハリスにホームスパンなどありとあらゆるツイード地を販売してきたマーチャントなのです。近年、経営母体が変わりましたが、以前はバタクのために専用の服地ラインを集めて見本帖(バンチ)を用意するほどの濃密な関係を構築しておりました。さて、前口上が長くなりましたが、その頃に発注したライトウエイトのサマー・ツイードを蔵出し販売いたします。カントリーフレイバーではなく、都会で着るために作られたアーバン・ツイードです。軽快さ、色柄の上品さ、ヴィンテージ感のある表情。休日にはサマーセーターにコットン・トラウザーズ、リモートワークならニットタイにグレイ・トラウザーズなどを合わせてみてはいかがでしょう。ちなみに、パブロ・ピカソが愛用していたジャケットの服地は「W.ビル(ウィルアム・ビル)」だったそうです。