先日、フランスの女優ナタリー・ドロンさんがお亡くなりになりました。ナタリー・ドロンさんと言えば「個人授業」(仏・1968)なのですが、私は思春期にこの映画をテレビで見て年上の美しい女性に強い憧れを抱くようになったのは今では遠い思い出です。年上の美しい女性に憧れる系では「おもいでの夏」(米・1971)も良かったですね。両作品とも音楽がとても素晴らしく、今でもたまに聴いて一人悦に入っています。ところで「個人授業」の中で黄色いランボルギーニ・ミウラが登場するのですが、この時代の欧州車のフォルムの美しさたるや!色気ムンムンと思うのは私だけではないはずです。ランボルギーニに限らず、この時代のフェラーリ、メルセデス、ポルシェ、ジャガーetcの造形美はもはやアート作品です。ということで、ここからが本題になります。クラシックカーがお好きな方ならイギリス・チチェスターで毎年9月に開催されるモータースポーツイベント「グッドウッド・リバイバル・ミーティング」をご存知かと思います。このイベントの凄いところは、チチェスターの町ごと1960年代のイギリスを再現することで当時にタイムスリップしたかのような演出を行うのですが、それはまるで映画のセットのようなのです。さらにイベントに集う人々は男女とも正装が必須条件となり、各々がこだわりのファッションを披露する場でもあるのです。このような他に類を見ない徹底ぶりから「グッドウッド・リバイバル・ミーティング」には世界中から名だたるVIPやクラシックカー、ヒストリックカーが集まってくるのです。そして今年、このイベントに集う紳士たちへのオマージュとして英「フォックス・ブラザーズ」から限定ファブリックが登場しました。
▼「フォックス レーシンググリーン グレンチェック」 ウール100% 310g
最大の特徴は‟ブリティッシュ・レーシンググリーン”のオーバーペンです。この色は1920年代のレーシング・ベントレーからインスピレーションを得たそうです。確かに今も昔もベントレーと言えばグリーンのイメージが強いですね。これには訳があって、かつてモータースポーツでは国別対抗戦を行う際に国別にナショナルカラーが設定されており、イギリスはグリーンでした。ベントレーの他にジャガーやロータスもグリーンのイメージが強いのはそのためです。この服地のこだわりはそれだけではありません。ベースの色はグレイに見えますが、構成されている糸をよく見てみると ‟生成り×黒に近いこげ茶”で織られているのです。このこだわりには驚きました。 こだわりは配色だけではありません。英国服地らしいハリ・コシのあるドライな生地感はパリッとした仕立て映えが約束されています。また、日本の気候だと真夏と真冬以外で着用できるウエイトなので何かと重宝すること間違いありません。軽快なスポーツ・ジャケットとしても良いですし、こだわりの3ピース・スーツとしてもおススメです。尚、グリーンのお車のオーナー様は絶対です(笑) (バタク大阪 工藤)