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モノが違う、ヴィンテージ服地の醍醐味。

「JAEGER イエーガー」という英国・ロンドンのアパレル・ブランドをご存知の方がいるとすれば、80年代のバブル期を経験された方かと思います。同ブランドは1884年に創業、マリリン・モンローやツイッギー、そしてオードリー・ヘプバーンらが愛用したことで一躍有名になり、世界的に人気が広がり、日本にも進出しています。しかし、90年代以降は人気が低迷し残念ながら現在は消滅しています。今は無き「イエーガー」ですが、全盛期には英国のミル(織元)にオリジナルの服地を発注していたそうです。実は先日、仕入れで訪れた羅紗屋で初めて「イエーガー」の服地を見る機会があったのですが、そのクオリティの高さに驚いた次第なのです。

色柄は英国伝統のプリンス・オブ・ウェールズ、柄立ちも控えめです。そして、何よりも驚いたのがその生地感です。服地の耳に “スーパー130s” の表記があるため、滑らかなソフトタッチかと思いきや、触った瞬間「これはハイツイスト?」と思うほどの弾力性に驚かされました。これは “スーパー130s” の原毛を太番手の糸に仕上げて、さらに撚りを強くして織られているためです。明らかに現在織られている “スーパー130s” の服地とはモノが違うのです。もちろん即決で仕入れました。有難いことに仕入れた直後に顧客様にご注文をいただきましたので、すでにこちらの服地は在庫がありませんが、今回の「イエーガー」のように認知度の低いブランドや、無銘柄のヴィンテージ服地の中に高品質というお宝が隠れていることが稀にあります。これがヴィンテージ服地の醍醐味であり、一期一会の出会いなのです。またお宝をご紹介できるように常にアンテナを張っております。(バタク大阪 工藤)