Blog

フォーマルもカジュアルのように。

王室や貴族階級にとっては「フォーマルもカジュアル」のようなものなのかも知れません。毎日のようにフォーマルウエアを着て公務をこなしたり、パーティーを催したりで、普通にガンガン、ヘビーローテーションで着用しているわけですから。毎日がフォーマルと言えば、給仕もそれに当たりそうですが、その給仕と言えども着ることのないフォーマルウエアがあることをご存知でしたでしょうか。晩餐の後、男性のみが集まって煙草を薫らしながら女人禁制の話題を楽しむスモーキングタイム。そこで着用されるフォーマルウエアがスモーキングジャケットです。ディナージャケットもこのジャケットに分類されると言われますが、諸説(*)の多いアイテムだけに真偽のほどは曇の中。仕立てる素材は、代表的なものとしてベルベット、シルクがあり、ゴージャスな装飾が特長です。バタクでもスモーキングジャケットをオーダーされるお客様が年々少しずつ増えています。ほとんどのお客様はディナージャケットの替え上着としてお仕立てになり、正式なスモーキング用というより、カジュアルな式やパーティーの二次会などで着用されているようです。

冒頭で書いたように着る人によってフォーマルウエアは毎日のように着て、毎日のように着替える服装でもあります(ジェームズ・ボンドもそのひとり…?)。ヘビーローテーションでガンガン着倒すとはいかなくても、クリスマスなどのイベント季節服のように扱わず、それなりに日常生活で着る機会をつくる、探してみる。それがフォーマルウエアをさり気なく着こなすための第一歩、近道になるのではないでしょうか。(バタク日比谷 菅野)

*エドワード7世のディナージャケット発案、ニューヨーク タキシードパークでの出来事