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大人なら、パフをさりげなく。

ポケットチーフの挿し方として「パフ」ほどクラシックで優雅なスタイルはありません。起源を辿れば中世の典雅な時代に流行したそうですが、そんなヒストリーを他所に今の時代を生き抜いている華麗な服装品のひとつです。かつては鼻をかむシルクの布でしかなかったものですが、いまやスーツを着たときの胸のアクセントには欠くことのできないアイテムになっています。当店のお客様には「バーナーズ」等のシルク・ブランドでお馴染みでしょう。ただし、まだお使いになっていない、あるいは限定的にしか活用しないというお客様の中には、気取った感じ、キザな装いだと敬遠されている方もいらっしゃいます。それは、「パフ」を意識し過ぎた結果、いろんなカタチの「パフ」をつくり過ぎてアクセントどころかノイジーな感じに見えてしまい、かえって何も挿さない方がいいと思われるような、いわゆる「これ見よがし」に挿している悪い例を見てしまっているからではないでしょうか。「パフ」はあくまでも「さりげなく」が基本です。チーフの役割はそもそも鼻をかんだり、手を拭いたりするものです。生活のあらゆる場面で小片の布が必要な時、サッと使って“無造作”に胸ポケットに収める・・・。現代ではそのような使い方はマイナーになっていますが、基本、気取らず挿すことが大切だと思われます。素材はシルク地はもちろん、リネンでもコットンでもかまいません。色や柄もホワイトやアイボリーの単色だけでなく、いろいろなものを楽しまれてください。大事なのは、その“無造作”に収める挿し方に尽きます。「パフ」は、多様なシーンで胸まわりのアクセントを作り出します。成熟した大人の雰囲気や優雅なドレープ・スーツには高級シルクを、ビジネスの装いなら高級リネンや抑えた柄のシルクをお選びください。