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60歳までの間に、できればホームランのような仕事がしたい。
―― 池田さんはトラッドな服装がお似合いですが、以前、アメリカン・エスタブリッシュメントの本場であり、近隣にアイビーリーグが数多く点在する東部コネチカットで暮らされていたそうですね。
池田氏: ええ、コネチカット州立大学の大学院に89年から3年間ほど留学していました。それ以前から大学病院で臨床と研究に携わっていましたから、より専門的な研究が目的の留学ということになります。消化器の内科医でして、なかでも専門は肝臓病です。
大学院がある場所はファーミントンという街。やや内陸ですがボストンからもNYのマンハッタンからも2時間くらいの距離にあります。田舎なので自然環境に恵まれ、治安も悪くはない状況でした。80年代の末期は、アメリカの治安が最悪の頃でしたから、マンハッタンはもちろん、ボストンやイエール大学のある街、ニューヘイブンでさえもかなり危ない様子でしたね。私は子供が2人いまして、家族で留学生活を送っていましたから、子供連れでノコノコ徘徊できるような雰囲気ではありませんでした。それに比べ、大学のあるファーミントンは東部の中でも非常に安心して住めるいい街でした。
―― 肝臓病がご専門とお聞きしましたが、なぜコネチカット州立大学をお選びになられたのですか。
池田氏: 最初は、70年代末期にあった西海岸ブームの洗礼を受けた世代でしたので、カリフォルニアにある自由な気風の学校か、テキサス辺りのアメリカらしい学校にしようかと思っていました。ところが、ちょうど留学を決意したときに、肝臓病では新進気鋭の教授がコネチカット州立大学に在籍していたわけです。即座に打診して受け入れてくれるというので、コネチカット行きを決めました。
留学の主たる目的は学会で自分の研究を発表したり、論文にしたりすることです。最終的には専門誌に投稿し、掲載してもらうことがその成果として考えられます。たとえば、有名な『Nature』誌などに自分の論文が掲載されれば、非常に高い研究成果を達成したことになります。
研究の主な内容は、なぜ肝硬変になるかといったことです。簡単に申し上げると、肝硬変というのは肝臓が繊維で置き換わってしまう病気で、なぜ肝臓に繊維がたまってしまうのかということの解明を細胞やラットを使って実験していました。基礎的な実験ですけれど、それを2年〜3年間続け、ある種の“新しい研究成果”を発見して論文にしたためています。残念ながら、『Nature』誌ではありませんでしたが。
池田 均氏
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