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Special Interviews
60代を迎えたという感慨はない。30〜40代のノリで仕事をしています。
―― 清水さんの作られるスーツやジャケットには、清水さんの世代(団塊の世代)らしい徹底したスタイルがあると見受けられますが。
清水氏: 僕の場合、「ルールにこだわること」が基本にありましたから。あえて規則にとらわれることを大事にする。ですから、今の若者のような「着くずす」ことはあまりしない。洋服に対する体系的な考え方みたいなものを教えられてきたからかもしれません。
―― やはり、基本は60年代のアメリカン・トラッドでしょうか?
清水氏: 僕らの世代がスーツに目覚めたのは、「VAN Jac.」であったり「KENT」であったりしたわけです。今のようにバリエーションが豊富な時代ではなかったので、選択の余地はありません。アメリカ東海岸の、いわゆるアイビー・リーグ(ハーバード、コロンビア、イエール、プリンストンなどの米国東部8大学)の学生たちが着ているものに触発されたことからすべてが始まっている。
―― そのアイビー・リーグの当時の大学生たちをとらえた写真集「TAKE IVY」がここ数年、アメリカで注目されているようですが。
清水氏: e-Bayなどのネット・オークションでも高値で取り引きされているようですね。撮影したのは婦人画報社(現アシェット婦人画報)のカメラマンで、林田昭慶さんという僕らの世代にとっては有名な方。当時、アメリカでも「アイビーリーグ・モデル」と称してシャツやスーツがリリースされていました。モノも今よりずっと良かったような気がします。そうそう、あの頃の「メンクラ(Men’s Club)」の編集長までやられたのが、寺崎央(ひさし)さんの奥さんでした。後に「POPEYE」や「BRUTUS」誌で活躍する寺崎央さんはその下で編集者だったんですね。大判の判型でバイ・マンスリーになった頃です。表4には必ず「VAN Jac.」のロゴだけ入っているという時代だと思います。実はなぜ僕が「メンクラ」編集部の内情に詳しいかというのと、学生時代の先輩に頼まれて編集部でバイトしていたことがあったんです。
清水 宗己氏
Motoki Shimizu | 1947年生まれ。(株)清水宗己事務所代表 コピーライター、編集者。TCC会員。マリンジャーナリスト会議メンバー。ヨットの世界でも活躍し、ヱスビー食品が所有する外洋レース艇「サンバード」のクルーを務めた。時計、クルマ、ファッション、建築、ヨット、旅行などの分野でさまざまな雑誌・書籍に寄稿。広告制作から出版・編集まで幅広いジャンルで活躍。編・著書には「皿の上に、僕がある/三国 清三」(柴田書店)などがある。
©Photo by Ryoichi Yamashita
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