Blog

本場オーストリアより、ローデン・クロスを。

オーヴァーコート用あるいはトラウザーズ用の紡毛服地に、ローデン・クロスがあります。ローデン・クロスとは、オーストリアのチロル地方(ヨーデルで有名な)で織られていたウールの縮絨(しゅくじゅう)素材です。現在では、チロリアン・ジャケットのような民芸品色の強いものは少なくなり、都会で着る防寒着には欠かせない素材になっています。よって、かつての脱脂をしていないオイリーな野趣あふれる布地ではなく、油脂分の少ないものが一般的になっています。ローデン・クロスのミルとしては本場オーストリアの「ライヒットフリード」社が有名です。創業も19世紀末と古く、ローデン・クロスの歴史をそのまま体現しているような製織企業と言っても間違いありません。同社を世界的に有名にしたのは、ローデン・クロスの素材革命です。重く硬かったローデンクロスを、軽くてソフトな風合いに仕上げる加工技術を開発しています。また、世界でいちばん最初にあの「ウールマーク」のパートナー企業になったのも「ライヒットフリード」社でした。バタクでは、今季より全店で「ライヒットフリード」のバンチをご用意し、種々のご注文にお応えしていきます。そもそもは狩猟用コートの紡毛素材として普及したローデン・クロスだけに、耐久性が求められるハードなアウターウエアには最適。当店ではオーヴァー・コートやトラウザーズのお仕立てにローデン・クロスの選択をオススメしているところです。

▇ 「ライヒットフリード」 ローデン・クロス(高級メリノウール100%)