私が学生の頃、♪夕日をあつめるツイードのジャケット 君の背中にかけて♪ という歌が流行りましたが、同世代の方ならお分かりいただけますよね? 正直タイトルは全く覚えていなくて、なぜかこのフレーズだけがずーっと頭にあるのです。というのも、この歌詞のおかげで学生だった私にツイードジャケット幻想が生まれたからなのです。ツイードジャケットを着る=カッコイイ!女性にモテる!今思うと恥ずかしいくらいナンパな理由でしかないのですが、80年代の男子はみんなそうでした(キッパリ)。それでも一度ツイードのジャケットに袖を通すとその魅力にハマっていくのです。当時はインターネットのない時代です。そこで教科書になったのが映画でした。私の場合、洋画だとスティーブ・マックィーン主演の「ブリット」、邦画だと高倉健さん主演の「冬の華」でした。私が敬愛する御二方なのですが、劇中ではツイードを着る刑事にツイードを着るヤクザですからね(笑)。それでもリアリティのある着こなしは良いお手本になりました。ちなみにこの御二方は共通点がとても多く、ファッションにおいても自分が着る服を馴染ませて自分のものにしてからでないと公の場に出なかったと言います。このようないちいち素敵なエピソードがたくさんあるのですが、それは小出しにしていきたいと思います。ということで、今回はマックィーンも健さんも愛用した茶のツイード服地をご紹介いたします。
「ラバット」使い勝手の良いウエイト500gのヘリンボーン。ラバット特有の素朴な風合いが魅力です。明るすぎず濃すぎない程よい色味は様々なオケージョンで活用していただけるツイード服地です。
「スキャバル」の貴重なヴィンテージ服地です。一見、ネップの入った粗野なツイードに見えますが、実は柔らかなラムズウールを使用し、さらにカシミアを少量ブレンドすることで滑らかなタッチを実現しています。今ではまず見かけることのないクオリティのツイードです。ウエイトは軽快な430g。今回ご紹介した服地はバタク大阪でのお取り扱いとなっております。店頭では秋冬服地の下見やご注文が増えてきました。お気軽にご相談ください。(バタク大阪 工藤)