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フレアしたAラインを。オリジナル バルカラー・コート

 インバネス(英国の古典的な外套)から派生したからでしょうか、英国起源のコットン製コートはどれも裾に向かって広がるカッティングを採用しています。雨具として着用していた歴史と係わりがあるのでしょう。傘のように裾広がりのシェイプになったという説もあります。この裾広がり形状を「Aライン」と呼んでいることはご存知の通り。当店のバルカラー・コート(今季より従来の定番のモデルに加え、クラシック ラグラン・コートのパターンを採用したモデルを追加)がこだわったのは、この「Aライン」をいかに美しくフレアさせるかでした。時代を遡るほど、フレア スカートのように裾を広く取っていて、シルエット全体で洒落た雰囲気を漂わせています。しかしこの「Aライン」のカッティング、そう易々とできるものではありません。フレアしないで裾に向かって垂れ下がったり、立体感が出なかったりする事例は枚挙にいとまがありません。着丈の長・短も影響しますが、フランスの映画監督ジャック・タチが着ていた短い丈でも「Aライン」は強調されていますし、ローレンス・フェローズのイラストには長い丈ながら抑揚の利いたシルエットが表現されています。本家英国の製品よりも美しい「Aライン」を追求したオリジナル バルカラー・コート。デザイナーではなく、ビスポーク・テーラーが考えるオーディナリーなオトナの装いです。

※海外ではバルカラー・コート、ダスターコート、バルマカーン・コートと呼称はいろいろ。日本語ではステンカラーと呼ばれています。

 

オリジナル バルカラー・コート(既製品)

素材:高密度コットン100%

カラー:新色カーキ(クラシック・ラグランのパターン)、ベージュ、ネイビー

サイズ:34〜40