Blog

癒しの獣毛、キャメルヘア。

プロレスの古典的な技でキャメルクラッチ(ラクダ固め)があります。技を仕掛けている様がラクダに乗って手綱を引いているように見えることが名前の由来とされています。ラクダの原産地である中東出身のレスラー(中東ギミック含む)が必殺技として使っていましたが、いかんせん見栄えしない固め技なのでお客さんが特に沸くこともなく、現在ではこの技を使うレスラーもほとんどいません。しかし、その破壊力は凄まじくガチで極めれば息が詰まり首と背骨が折れるという恐ろしく危険な技なのです。学生の頃に体育館のマットの上でこの技を極められた時はマジで死ぬかと思いました(ぴえん)。という前フリを経て、今回ご紹介するのは数あるコート地の中でも贅沢な服地のひとつ「キャメルヘア=ラクダの毛」です。それもヴィンテージの出物になります。織元は獣毛(カシミア、アルパカ)などの高級繊維では定評のある英「Joshua Ellis/ジョシュア エリス」です。今さら品質については言うまでもありませんね。ちなみに当時「キャメルヘア」を織っていたのは「ジョシュア エリス」だけだったそうです。この「キャメルヘア」の魅力はソフトな手触りとバツグンの保温性です。ラクダは山岳地帯や乾燥地帯の厳しい環境下でも体温を保ち生息するために温かく保湿性のある毛を纏っています。ちゃんと理に適っているのです。そして最大の魅力は見た目の優雅さではないでしょうか。優しくもあり、落ち着いたキャメルの色味は繊維が持つ風合いと相まって安心感があります。ちなみにラクダの毛は染色が難しいため多くはそのままの色が用いられます。キャメルが繊維の名前でもあり、色の名前にもなっているのはそのためです。キャメルクラッチとは違い、癒しとも言えるような心地よさを感じさせてくれるのです。何かと不透明で不安な毎日ですが、そんな時だからこそ大人の余裕を感じさせてくれるスーツやコートが必要だと思うこの頃なのです。(バタク大阪 工藤)

ヴィンテージ「ジョシュア エリス」キャメルヘア 540g

【お知らせ】バタク大阪は8月23日(日)~27日(木)まで夏季休業とさせていただきます。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。