ご好評をいただいておりますお客様のお仕立て上がりのご紹介です。まずは貴重なヴィンテージ・ドーメルの「マジック」でお仕立ていただいた2ピース・スーツです。混率はウール50%・モヘア50%になり、「トニック」を軽量化したような印象の服地です。画像では分かり難いですが、ピンヘッドになります。そのおかげで高混率モヘア特有の光沢感が抑えられています。トラウザーズは2プリーツのやや太め。これがクラシックかつエレガントな雰囲気を醸し出すのです。画像のようにミニマルなコーディネイトに徹することで、この上なく上品かつ男らしいスーツ・スタイルが完成します。こちらはビスポークでのお仕立てになります。
続いて5/3付ブログでご紹介したヴィンテージ・イエーガーでお仕立ていただいた2ピース・スーツです。アンダーステイトメントを具現化したスーツに仕上がりました。間近で見ない限りグレンチェックに気付きません。やはりこのスーツも色数を抑えたコーディネイトをすることでエレガントな印象になります。こちらはMTMでのお仕立てになります。
上記のスーツをお仕立ていただいたお客様ではありませんが、若い世代のお客様から「落ち着いて見えるスーツを作りたい」「品のあるスーツを誂えたい」というお声をいただく機会が増えています。ご要望をよく聞いてみると、我々が推奨するアンダーステイトメントなスーツ・スタイルに共感してご興味をお持ちいただいたご様子なのです。さらに話を深堀りしてみると、コロナ禍によってスーツをはじめとする衣服、趣味嗜好、そしてライフ・スタイルまで見直すきっかけになったと仰います。コロナ禍が価値観の変化をもたらしていることは事実です。これは悪いことではなく、良い変化だと捉えています。より質の高いモノ、質の高いサービスが求められていることを実感しております。その証拠に若い世代のお客様はカラダから熱量が滲み出ています。それに負けじと私も老体にムチ打って、いや、気持ちを奮い立たせてご期待にお応えする所存です。(バタク大阪 工藤)